屋根の架構

「3階建ての家」は木造ですが、屋根の架構が一部、鉄骨による混構造になっています。
 
3階建ての家・小屋組
 
青い部分が木軸、赤い部分が鉄骨になります。
鉄骨の円柱状の梁・棟木に接合部材をあらかじめ溶接しておき、木部の建方と合わせ一気に上棟させる計画です。
 
実はこの家の平面は、90°ではなく88.74°という、わずかに振れた平行四辺形になっています。
また、屋根の一部が3次曲面となっています。
この変形により、通常2次元で行う施工図の作業は、3次元での作業となりました。
木材のプレカット・鉄骨の製作も、特殊な加工に対応できる、設備の整った工場で行います。
 
ジョイント部材
 
上の写真は、鉄骨と木軸とを接合するために製作した部品です。
これを、3次元の角度で円柱状の鉄骨に溶接していきます。
接合部では部材が集中するため、少しの誤差でも建方がうまくいかない可能性があります。
設計図とおり、慎重に溶接が行われました。

鉄骨梁製作風景
  
検討と設計、加工には多くの時間と労力を必要としましたが、準備は整いました。
いよいよ建方、そして上棟です。


敷地調査

「中庭のある家」の地盤調査と真北測定の様子です。
 
事前に近隣の地盤データをチェックし、建物の計画内容を考慮した上で、スウェーデン式サウンディング試験と呼ばれる地盤調査を行うことにしました。
 
スウェーデン式サウンディング試験
 
スウェーデン式サウンディング試験は、北欧のスウェーデン国有鉄道が不良路盤の実態調査として採用し、広く普及した調査です。
日本では、1954年頃に建設省が堤防の地盤調査として導入したのが始まりと言われており、特に浅い部分で精度の高いデータを取ることができます。
 
荷重と回転をかけながら、スクリューを沈みこませるのに必要な重さと回転数を測定し、その数値をもとに地盤の強度を判定します。

今回は、建物の4隅と中心の、計5ポイントを調査しました。
 
真北測定
 
また、地盤調査とあわせて、真北測定を行いました。
 
「中庭のある家」の計画地は、東京都の第1種高度地区に指定されているため、2つの境界線上から5m+1:0.6という厳しい北側斜線がかかります。
建築可能な建物の高さを厳密に知るためには、正確な「北」を測定する必要があります。
 
建築基準法で用いられている北は方位磁針の北(磁北)ではなく、地図上の北(真北)です。そのため、トランシットと呼ばれる機器を使って太陽の方位と高度を測定し、真北方向を算出しました。